SEOは、自社サイトやコンテンツを上位表示させるための施策であるのはご存じかと思います。
しかし、上位表示で期待できる効果が明確ではない方も多いのではないでしょうか?
結論からいうと、SEO対策で上位表示をされると、少ない費用で大きな集客が見込めます。サイトやコンテンツ内の商品やサービスに関心のあるユーザーを集めやすいためです。
本記事ではSEO対策に関する次の4つを解説します。
- SEO対策のメリット
- SEO対策のデメリット
- SEO対策の具体例
- SEO対策ではSXOの考えも大事
SEO対策でサイトやコンテンツを上位表示させて、成約に繋げましょう。
【そもそも】SEO対策とは?
SEO対策とは、ウェブサイトやコンテンツが、検索結果で高い表示順位を獲得するための戦略です。
「Search Engine Optimization」の頭文字をとっていて、直訳すると、「検索エンジン最適化」という意味になります。
代表的な検索エンジンは主にGoogle(グーグル)とYahoo(ヤフー)の2つです。
この2つの検索エンジン上で、記事が検索結果の上位に表示されるようにさまざまな施策をとります。
具体的な施策は、キーワード選定、コンテンツ最適化、サイト速度向上があります。
SEO対策のメリット6つ
ウェブサイトやコンテンツは資産性の高いメディアのため、SEO対策をきちんとすれば、中長期的に流入が狙えます。
これ以外にもさまざまなメリットがあり、メリットを理解しておけば、目的ごとに応じた細かな施策を打てるようになるでしょう。
ここでは、SEO対策で期待できるメリットについて、以下の6つを解説します。
- 掲載費を抑え低コストで高い効果が期待できる
- 成約につながりやすい集客ができる
- 中長期的なアクセスが期待期待できる
- 顧客育成(ナーチャリング)ができる
- サイトや企業の認知度(ブランディング)をアップできる
- コンテンツを資産にできる
①掲載費を抑え低コストで高い効果が期待できる
SEO対策は紙媒体の広告や雑誌と異なり、掲載費用がかからないのがメリットです。
GoogleやYahooの検索エンジンにコンテンツを掲載すること自体は無料だからです。
さらに記事を上位表示できると、ユーザーからの目にとまりやすくなり、時間や場所に関係なく集客できます。
②成約につながりやすい集客ができる
SEO記事で上位表示できると、成約に繋がりやすい、興味関心のあるユーザーを集められます。
ユーザー自身が検索窓に、自分の興味のあることや知りたいことを検索するためです。
GoogleやYahoo、SNSで検索をかける際、私たちは「何かを知りたい」「何かが欲しい」「どこかへ行きたい」といった目的があります。
そして、自分の目的を満たしてくれそうなサイトや記事を検索して探すのです。
例えば、何かを買いたいときは、買いたいものが購入できるサイトや比較サイトを検索して探します。
どこかへ行きたい場合は、観光地やレジャーができる場所を調べるために、観光地やレジャー紹介のサイトを検索するという行動をとるでしょう。
そのため、SEO対策がうまくいくと、商品購入や注文、申し込みをしたいユーザーを集められます。
検索から購買行動を起こすまでの流れを、マーケティング業界では「AISAS(アイサス)」と呼んでいます。
インターネット上で消費者がある商品を認知してから購買に至るプロセスで、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(購買)→ Share(情報共有) の頭文字を取ったもの
引用:市場調査・アンケート調査のマクロミル「AISAS(アイサス)」とは
このAISAS(アイサス)からもわかるように、SEO対策で「購入(行動)」の前段階にいるユーザーを集客できるのです。
③中長期的なアクセスが期待期待できる
SEO対策が成功すると、中長期的にアクセスが見込めます。
1つのキーワードだけではなく、関連する複数のキーワードでも上位表示されて記事の総合的な評価が上がる仕組みが理由です。
例えば、ユーザーが「スマホ 最新」と調べる際、「最新のスマホはどんな機能があるのか」「スマホの最新機種にはどんなものがあるのか」と同じ検索ワードでも、知りたい情報が微妙に異なります。
1ページでまとめて、知りたい情報が微妙に異なるユーザーへ情報提供できると、「スマホ 最新機種」「スマホ 最新 機能」といった2つのキーワードで調べ物をするユーザーへ同時にアプローチできます。
その結果、1つの記事でも複数のKWでの上位表示ができ、サイトやコンテンツ自体の評価が底上げされるのです。
また、SEO対策がうまくいくと、例えばどこかのKWの評価が下がってしまっても、総合的には評価が高いケースが発生します。
サイト全体のSEO対策ができれば、長期間の上位表示が可能でアクセスが安定的に多く得られるでしょう。
④顧客の関心度が深まり成約に繋げられる
コンテンツを見に来たユーザーの関心度を深められるのもSEO対策のメリットです。
コンテンツを見ることで商品やサービス、知りたいことの理解度が深まる効果があるためです。
例えば、以下の3つのユーザー層が全員同じコンテンツを見ています。
- テーマに興味はあるが、実際に存在する商品やサービスを知らない
- 自社商品やサービスは知っているが、商品の比較やサービス内容は把握していない
- 自社商品やサービスの購入を検討していて、情報収集や比較をしている
コンテンツを見にくると、商品の理解度が深まって関心度が高くなります。
そうすると、商品やサービスを購入したい欲求が深まるため、成約に繋げられたり、記事が読み込まれる時間が増えたりします。
その結果、ページの評価が上がり上位表示されやすくなるのです。
⑤サイトや企業の認知度(ブランディング)をアップできる
SEO対策では、認知度の向上が期待できるのもメリットです。
SEO対策で上位表示できると、多くのユーザーがサイトやコンテンツを見にきて「この情報ならこのサイトで知れる」「新宿で美味しい和食ならこのお店」と認識します。
まさにこれが認知度のアップ(ブランディング)です。
「おしゃれなカフェといえばスターバックス」のように、自社サイトやサービスの認知度をあげられます。
⑥コンテンツを資産にできる
一度サイトやコンテンツとして世の中に出すと、問題がない限り消えずに資産になります。
これは広告と大きく異なる点です。
広告は期限と規模が決められていて、その期日や規模を超えるとコンテンツやサイトが停止(世にでなくなる)します。
広告を続ける場合、追加の費用を払ってまた期日を伸ばしてもらったり、広告の規模を調整してもらったりしなくてはいけません。
一方、SEO対策で自社でコンテンツやサイトを発信する場合は、コンテンツが自社のものであり続け、掲載に期限や規模の制限がないのがポイントです。
一度発信すればずっと残り、改善やデータの管理も自社でできます。
SEO対策のデメリット4つ
SEO対策にはデメリットもあります。
しかし、デメリットをあらかじめ把握しておくと、SEO対策で効果が出ないときも焦らず対応できるのがポイントです。
主に次の4つがデメリットとして考えられるため、把握しておきましょう。
- 1ページ目に表示されないと見てもらえない
- 成果までに時間がかかる(即効性がない)
- コンテンツ作成に時間と手間がかかる
- 必ずしも上位に入れるわけではない
①1ページ目に表示されないと見てもらえない
seoClarity(SEOクラリティ)が公開した、2021年11月の検索順位別クリック率(CTR)によると、検索結果1位と2ページ目で約10%ほどクリック率に開きがあるのがわかります。
下に示す表の数値からもわかるように、検索結果の上位5位以内には入れないと、サイトの閲覧率が大幅に減少します。
ユーザーの画面スクロールと閲覧が関係していると考えられるため、検索順位のポジションにも着目しつつ検索上位5位以内を目指しましょう。
検索順位 | 日本 クリック率 | アメリカ クリック率 | イギリス クリック率 | カナダ クリック率 | インド クリック率 |
1 | 13.94% | 9.13% | 10.48% | 11.30% | 14.88% |
2 | 7.52% | 5.07% | 6.05% | 5.93% | 8.22% |
3 | 4.68% | 3.60% | 4.49% | 4.29% | 4.79% |
4 | 3.91% | 2.61% | 3.15% | 3.31% | 3.10% |
5 | 2.98% | 1.95% | 2.54% | 2.64% | 2.09% |
≈≈
15 | 1.65% | 0.45% | 0.73% | 0.77% | 0.45% |
16 | 2.19% | 0.53% | 0.90% | 0.92% | 0.63% |
17 | 2.54% | 0.60% | 1.07% | 1.10% | 0.83% |
18 | 2.83% | 0.75% | 1.29% | 1.25% | 1.14% |
19 | 2.91% | 0.88% | 1.36% | 1.34% | 1.27% |
20 | 2.85% | 0.93% | 1.47% | 1.39% | 1.34% |
②成果までに時間がかかる(即効性がない)
SEO対策は効果が出るのに時間がかかり、即効性がないのがデメリットといえます。
競合の分析、コンテンツ制作、検索エンジンに合わせた調整があり、情報発信する前段階で時間がかかるためです。
加えて、実際に人やGoogleに評価されるためにも時間が必要です。
データバンクのAhrefsのデータを見ると、検索結果トップ10に入るドメインの平均運営年数は2年以上、上位1位になるドメインに関しては約3年という結果が出ています。
そのため、どれほど質のいいコンテンツを作っても、サイトやコンテンツが評価され、検索上位に上がるまでには時間がかかると心得ておきましょう。
引用:Ahrefs「How long does it take to rank in Google?」
③コンテンツ作成に時間と手間がかかる
コンテンツ作成に時間と手間がかかるのもデメリットの1つです。
例えば、ブログで上位表示目指すとなると、ユーザーにとって有益な記事を100本ほど用意し、検索エンジンからブログサイト自体を評価されるのがポイントになります。
しかし、ユーザーに有益な記事を1本用意するためには数千円~数万円のコストがかかります。
記事を外注すれば外注費用になり、自社で用意すれば人件費になるのです。
コンテンツやサイトを作成した後も、検索エンジンの評価基準(アルゴリズム)のアップデートに合わせてリライトなどのメンテナンスをしなくてはなりません。
④必ずしも上位に入れるわけではない
どれだけSEO対策をしても、お金や健康といった、専門的な知識が必要なコンテンツを、一般の方が詳しく書いても上位表示は困難です。
それは、Googleが定めているYLYMといった厳しいルールがあるためです。
参考:Google for Developers「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
例えば、日常生活で置き換えたときに、お金の相談をする際は、銀行員や税理士、ファイナンシャルプランナーに話を聞きたくなり、健康の話は医者に話を聞きに行きたくなるはずです。
このように、人生に影響を与えるような重要なジャンルにおいては、SEOの評価基準が厳しくなり、上位表示がむずくしくなってしまいます。
加えて、Googleが年に数回実施する「コア アップデート」によって順位が大きく変動するケースもあります。
そのため、必ずしも上位に入れるわけではないことも心得ておきましょう。
SEO対策の具体例4つ
ここからは実際にSEO対策の具体例を4つご紹介します。
- コンテンツを最新情報に更新する
- コンテンツ内に実例・実績を記載する
- SNSと連携させる
- E-E-A-Tを意識する
この4つを対策をすると、自然と前述した「Googleが掲げる10の事実」の理念に沿ったコンテンツを作れます。
①コンテンツを最新情報に更新する
毎日、新聞が刷られたり、雑誌が毎月刊行されたり、テレビで毎日新しいニュースが報道され、常に更新された情報が読者に届けられていますよね。
これはWeb上でも同じで、ユーザーは常に鮮度が高い情報を求めています。
そのため、可能であれば情報が変われば、コンテンツ内容もすぐに更新するのがベストでしょう。
しかし、現実的に難しい場合もあるため、具体的な施策として半年に1度は情報更新をするのがおすすめです。
更新や新情報のアップを怠らずにコツコツ継続できるかが上位表示の鍵になります。
②コンテンツ内に実例・実績を記載する
コンテンツ情報の正確性をアップさせるためにも、実例や実績を記載するといいでしょう。
「事実」を掲載するため、情報に嘘や偽りがないと証明でき、ユーザーから信頼してもらえるためです。
実例としては、次のコンテンツを参考にできます。
- X(Twitter)の口コミ
- Yahoo知恵袋
- 掲示板
上記の投稿はユーザーの本音に近い声が聞けます。
しかし、SNS上の情報もどこまで本当なのかがわからないため、自分の実体験を投稿するのがおすすめです。
このように、自分の体験や実例を取り上げてコンテンツを紹介すると、コンテンツの情報の信頼度がアップします。
③SNSと連携させる
サイトやコンテンツを見にきてもらう手段として、SNSとの連携も1つの手です。
現代ではタイムパフォーマンス(いかに短い時間で有益な情報を多く得られるか)の傾向がみられます。
簡潔に情報がまとまっていたり、さまざまな情報を得られたりするSNSを高頻度で使用するユーザーが多くなっているのです。
ユーザー数が多いSNSで発信すると、より多くのユーザーからサイトまたはコンテンツへの流入が見込めます。
自社サイトやコンテンツのテーマに合わせて、Instagram、X(Twitter)との連携をしましょう。
写真、映像、グラフや表といった視覚的にサイトやコンテンツ情報を押し出したい場合はTikTok、Instagram、Youtubeショートとの連携が望ましいです。
マインドセットや思想など、文章での表現の方が良い場合は、X(Twitter)やThreadsとの連携が好ましいと推測できます。
④E-E-A-Tを意識する
Googleの「検索評価ガイドライン」によると、サイトやコンテンツのページの質の根源は「信頼性(Trust)」がもとになっています。
その信頼性を支える要素として、「Experience(経験)」「 Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」の3つがあります。
つまり、サイトやコンテンツの評価基準として「誰が」「どの立場で」「何をいっているのか」がポイントです。
簡単にE-E-A-Tをお伝えすると次の通りです。
- Experience(経験):実際に製品やサービスを使ったり試していたりする実体験をもとにしているか
- Expertise(専門性):あるジャンルに詳しい専門家や、商品メーカー、専門店といった専門性の高い人が発信しているのか
- Authoritativeness(権威性):サイトやコンテンツを取り扱っているのは誰なのか
- Trust(信頼性):サイトやコンテンツが正確で、誠実で、安全で、信頼できるものか
このE(経験)、E(専門性)、A(権威性)を意識してコンテンツを作り込むと、T(信頼性)の向上ができ、結果的に質の良いコンテンツになって検索上位に繋がります。
SEO対策をするならSXO対策にも注目すべき
SEO対策で重要なのは、ユーザーがサイトやコンテンツ内で満足できる体験を提供することです。
つまり、コンテンツが「ユーザーにとって、見やすく、読みやすく、わかりやすい」ものでなければいけません。
この考え方を「SXO(Search Experience Optimization)」といいます。
直訳すると、検索体験最適化です。
SEO対策には、URLやサイト内部のコードといった機械的にサイトの質を評価してもらう手段もあります。
実際にページ評価をするのが人間ではなく、Googleのアルゴリズムであるためです。
しかし、Googleが提供しているSEOスタータガイドには、次の記載があります。
検索エンジンを第一に考えたコンテンツ作成を回避する
Google 検索で上位に表示されるには、検索エンジンでの掲載順位を引き上げることを主な目的として検索エンジンを第一に考えて作成されコンテンツではなく、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成に注力することをおすすめします。
引用:Google Developer「SEO スターター ガイド」
そのため、SXOにも注目して、検索してきたユーザーや読者が「見やすく、読みやすく、わかりやすい」コンテンツを作りましょう。
SEO対策をして効率的に知名度を上げよう
この記事では、SEO対策のメリットとデメリット、SEO対策の具体例に関してご紹介しました。
この記事のまとめは以下のとおりです。
- SEO対策は掲載費がかからない集客手段
- SEO対策には時間がかかるが資産になる
- SEO対策で重要なポイントはE-E-A-T
- SEO対策をする際はSXOを意識するのがおすすめ
SEO対策は、検索エンジンにしっかりと内部の情報を認識してもらう機械的な対策ももちろん大切です。
しかし、サイトやコンテンツは誰に向けて提供しているのかを忘れてはいけません。
常に読者やユーザーを第一に考え「見やすく、読みやすく、わかりやすい」コンテンツやサイト作りをしましょう!