SXOの重要性は分かっていても、効果のあるSXO対策はご存知でしょうか?
実は、SXO対策の施策と効果の測定方法はSEO対策と全く違います。
この記事では、SXO対策について、記事を作成する流れや成功事例を交えて解説します。
- 効果のある「SXO対策」がわかる
- 「SXO対策」に特化した記事の作り方がわかる
SXO対策とは
SXO(Search Experience Optimization)は、検索体験最適化です。
ユーザーがニーズを満たすためにGoogle検索し、記事を読んだ後にそのニーズが満たされた状態を指します。
例えば以下の流れです。
- 「本を読みたい」ニーズを持っているユーザーが、「本 おすすめ」とGoogleで検索する
- 面白い本のランキング記事を読む
- 読みたい本が決まった
SXO対策を行うとユーザーの潜在的なニーズを引き出し、満足度の高い記事を提供できます。
ただし、SXO対策の効果は数値として評価しづらい難点もあります。
SXO対策する上で必要な施策
SXO対策する上で必要な施策はなんでしょうか。
ここからは、SXO対策する上で必要な施策について、以下の6つを解説します。
- フォントやレイアウトを見やすくする
- セキュリティ対策をする
- サイトの表示速度を速くする
- tittle・descriptionタグを見直す
- 対策キーワードを適宜挿入する
- ポゴスティッキング動作を抑える
フォントやレイアウトを見やすくする
文字やレイアウトを見やすく工夫しましょう。
人間の知覚の割合は、視覚83%といわれるほど視覚情報が重要だからです。
参考文献名『産業教育機器システム便覧』(教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)
例えば以下のデザインがあります。
- タップやスクロールがしやすいデザイン
- Zの法則を活用したデザイン
- 老齢の方が読みやすいフォントサイズ
Zの法則とは、ユーザーの視線が左上から右下に向かう傾向です。
Zの法則を活かすと、ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)を向上できます。
このように、ユーザーの年齢層や使用している媒体に沿ったデザインが重要です。
セキュリティ対策をする
サイトのセキュリティを強化する必要があります。
オンラインショッピングの普及により、クレジットカード情報や個人情報を入力する機会が増加しているためです。
例えば、以下のセキュリティ対策があります。
- SSL化
SSL化は、webブラウザとサーバー間でデータ通信を暗号化する技術です。ユーザーがwebサイト上で情報を入力して送信する際、情報が自動的に暗号化されます。
- UTM
UTMは、外部からのウイルスや不正アクセスの脅威からネットワークを保護するセキュリティ対策パッケージです。
これらのセキュリティ対策をすると、ユーザーのデータを守り信頼性を高められます。
サイトの表示速度を速くする
記事に挿入する画像や動画の容量を軽くして、サイトの表示速度を速くしましょう。
2018年にGoogleは、ページの読み込み速度が遅い場合は検索結果の順位に影響が出るアルゴリズム「Speed Update」を導入しました。
そのため、検索結果のページ表示速度はユーザーのアクセス数を向上させるために重要です。
例えば、以下の施策を行います。
- 画像サイズを変更する
- ファイルを圧縮する
これらの手法を組み合わせて、ページの表示速度を向上させます。
tittle・descriptionタグを見直す
descriptionタグとは、検索結果ページで表示される説明文を指します。
これはHTMLタグの一部で、ユーザーにサイトの記載内容を伝える役割です。
titleは検索キーワードを入れ、descriptionタグはサイトの内容を正確に伝えます。
ユーザーは説明文を見て、求めている情報が含まれているか判断するからです。
説明文が適切でない場合、ユーザーは再び検索画面に戻ります。
そのため、ページの内容が正確に反映されているタイトルと説明文を作成し、分かりやすい見出しを使用しましょう。
対策キーワードを適宜挿入する
対策キーワードをリサーチし、キーワードを入れつつユーザーが理解しやすい記事を提供するのが重要です。
これを怠ると、記事内容とユーザーのニーズが合致しない場合があるからです。
キーワードを単にランダムに挿入するのではなく、ユーザーの立場に立ってキーワードを挿入します。
ポゴスティッキング動作を抑える
検索結果とwebページを何度も行き来する動作、ポゴスティッキング動作を最小限に抑えます。
ユーザーがwebページに戻るのは、サイト内に求めていた情報が見当たらなかったという意味です。
ポゴスティッキングは、Googleアナリティクスから離脱率や閲覧数、滞在時間で見れます。
ポゴスティッキング動作を解決するために、以下の施策を取ります。
- ページの構成や小見出しの再構築
- 検索キーワードとコンテンツの一致
これらの対策を実施すると、ポゴスティッキング動作を最小限に抑えられます。
SXO対策に特化した記事の作り方
SXO対策に特化した記事はどう作成するのでしょうか。
ここからは、SXO対策に特化した記事の作成方法について、以下の7つを解説します。
- 顕在ニーズをリサーチする
- 潜在ニーズをリサーチする
- ニーズに寄り添ったタイトルにする
- 簡潔で分かりやすい文章にする
- 網羅性の高い記事を執筆する
- 定期的に記事を更新する
- 満足度を調査する
顕在ニーズをリサーチする
キーワードをもとにユーザーの顕在ニーズを分析します。
ユーザーのニーズに応えるコンテンツを提供するには、顕在ニーズの把握が重要だからです。
例えばユーザーが「カメラ 初心者」と検索した場合、以下のニーズが考えられます。
- 初心者におすすめのカメラを知りたい
- 初心者でも撮れる撮り方を知りたい
このように、キーワードから考えられる顕在ニーズを分析します。
潜在ニーズをリサーチする
キーワードをもとにユーザーの潜在ニーズをリサーチします。
ユーザーの満足度を上げるには、潜在ニーズをリサーチして、ユーザーが求める情報を提供する必要があります。
例えば、「カメラ 撮り方」と検索するユーザーの潜在ニーズは「カメラで写真をうまくとれるようになりたい」というニーズを抱いているはずです。
つまり「カメラの撮り方の方法」を提供すると、潜在ニーズを満たすコンテンツを提供できます。
このように潜在ニーズをリサーチし、ニーズを満たせる記事作成をします。
ニーズに寄り添ったタイトルにする
ユーザーにとって1番最初に目に入る記事のタイトルは非常に重要です。
検索ページに表示されていても、タイトルがユーザーのニーズと関係ない場合、クリックにつながりにくいです。
タイトルを考える際は、以下のポイントを抑えましょう。
- 興味を引くタイトル
- 記載内容が一目でわかるタイトル
これらの要素を取り入れると、ユーザーがクリックしたくなるタイトルを作成できます。
簡潔で分かりやすい文章にする
読みやすく、簡潔で分かりやすい内容の記事を作成します。
読みやすい記事を作成するために、記事の構成を事前に計画します。
構成を考える際は、以下のポイントを抑えましょう。
- 文字数が多すぎない
- 結論を最初に示す
- H2見出しの直後に画像を配置する
- 文字色を3色以内に制限する
- 箇条書きを活用する
これらに気を付けて執筆すると、ユーザーが最後まで楽しみながら記事を読み進められます。
網羅性の高い記事を執筆する
網羅性とはユーザーが求めている情報が漏れなく記事に記載されているかです。
顕在ニーズや潜在ニーズを満たす網羅性の高い記事を提供しましょう。
網羅性はユーザーの満足度に大きな影響を及ぼします。
ニーズを分析するには、以下のポイントを抑えましょう。
- キーワードを検索する
- 上位10記事を読み、ニーズを把握する
キーワードと関連するコンテンツ内容でも、ユーザーのニーズに合致しない場合はユーザーの満足度が下がります。
満足度を調査する
ユーザーの検索体験や行動パターンを分析する必要があります。
SXOはユーザーの立場に立ってニーズを理解し、ユーザーに寄り添う考え方だからです。
ユーザーの満足度はクリックの頻度をもとに測れます。
以下のクリックに注目しましょう。
- ショートクリック
- ユーザーがwebサイトにアクセスした後、すぐに検索結果ページに戻る場合はユーザーが満足していません。
- ロングクリック
- ユーザーがwebサイトにアクセスした後、一定時間操作がない場合はサイトの満足度の高さを示します。
- クリック率
- クリック率は、検索結果ページに表示されたタイトルがクリックされる頻度の割合です。クリック率が低い場合は、タイトルが魅力的でない可能性があります。
Googleアナリティクスでクリック数を測定し、満足度を測りましょう。
SXO対策の事例2選
SXO対策をすると具体的にどのくらいの効果が出るのでしょうか。
ここからは、SXO対策の事例について、以下の2つを解説します。
- クリエイティブ業界 | 2.7倍にCV向上
- レンタルドレス業界 | 7.4倍にCV向上
クリエイティブ業界 | 2.7倍にCV向上
博報堂DYグループのクリエイティブ企業、株式会社博報堂アイ・スタジオは、SXO対策をさまざまな企業に実施してきました。
その中でも、製薬会社のwebサイトのCV率を2.7倍に向上させた事例があります。
この製薬会社のwebサイトには市販薬の情報が掲載されていましたが、多くのユーザーは現在の症状のキーワードから検索する傾向がありました。
当時は信頼性の低い健康・医療系メディアが検索結果の上位を占めていたため、症状のキーワードから製品情報への誘導が難しい状況でした。
効果が出た流れは以下のとおりです。
- 専門家の監修による症状解説と治療法情報を提供するコンテンツを開発する
- 2017年2月にGoogleが医療・健康アルゴリズムのアップデートをする
- 製薬会社のコンテンツは、正確性と信頼性が認められる
- 検索結果の上位に表示される
製薬会社のwebサイトは専門家の監修による執筆で信用性が上がり、Googleから高く評価されました。
レンタルドレス業界 | セッション数が34.9倍に向上
マルイが提供するレンタルドレスサービス「DRENi」は、セッション数が34.9倍、CVが7.4倍に向上した事例があります。
このサービスは、オンライン上でドレスの申し込みを行い、自宅または最寄りの店舗に配送します。
初期段階では、ブランドサイトと申し込みサイトが別々に存在し、この2サイト間で購入までの導線でつまづく課題がありました。
そこで以下の取り組みを行いました。
- サイト構造の変更
- コラムを50本作成
ユーザーがコラムを読んだ後に離脱する傾向が見られたため、コラムのクオリティを向上させました。
行った施策は、単なるキーワードを挿入するのではなく、ユーザーの検索ニーズに合った情報を提供することです。
以上の改善策により、webサイトの離脱率は低くなり、セッション数が約34.9倍、CVが7.4倍に向上しました。
SXO対策をして、ユーザーに新しい体験を提供しましょう
この記事ではSXO対策について、記事を作成する流れや成功事例を交えて解説しました。
この記事のまとめは以下のとおりです。
- 効果のあるSXO対策は、以下のとおり
文字やレイアウトを見やすくする
セキュリティ対策をする
対策キーワードをリサーチする
ポゴスティッキング動作を抑える - SXO対策に特化した記事の作成の流れは、以下の通り
ニーズをリサーチする
ニーズに沿った記事タイトル、内容にする
定期的に記事を更新する
満足度を調査する
SXO対策とは、ユーザーの潜在的なニーズを引き出し、満足度の高い記事を提供する考え方です。
SXO対策の効果は数値として評価しにくいですが、ポゴスティッキング動作で判断できます。
SXO対策をして、ユーザーに新しい体験を提供しましょう。